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小説「方舟」
第二章 2 大統領の演説
「ハムダル星は、三年と二ヶ月後に消滅します」 そう、聴衆に告げてから、サラは再び沈黙した。集まった8万超の聴衆たちも、大統領からの意外な言葉にどう反応して良いか判らず、ただ沈黙したまま、サラの次の言葉を待った。1秒……2秒……5秒……と、サラは... 小説「方舟」
第二章 1 終わりの始まり
その日、大統領専用車がゼロの広場に入る1分前。ハムダル本星と、それとシステムを同一にする三つの衛星にあるすべてのオンライン・モニターが、大統領演説のライブ中継映像に強制的に切り替わった。大統領の盾であるメイ・ウォンが、広場の大観衆を見て... BLOG
修正(主に構成の変更)
『方舟』の連載をお読みいただいている皆様、いつも本当にありがとうございます。第一章が完結して早々ではありますが、今回、下記の修正(構成の変更)をすることにしました。 第一章6の「パラン教授のブログ」の内容の一部を削除。第一章7の「ガルドの迷... 小説「方舟」
第一章 8 重大な発表
ハムダル星。首都リグラブ。その日、大統領をひと目見ようとゼロの広場にやって来た人間は約8万人。これは、34年前、ハムダル星の新暦1200年を祝うために星系の人気アーティストを総動員して行われた「ハムダル・メモリアル・ミュージックフェス」の1... 小説「方舟」
第一章 7 ガルドの少年たち
「だからさ、6。よく見ろよ!」片方の少年が、空を指さして言った。「なんでこの星がいつも嵐かって言うと、あっちの昼からの熱と、こっちの夜からの冷気が、ちょうど俺たちの真上でぶつかるからなんだよ」言いながら、少年は、上空に線を引くように人差... 小説「方舟」
第一章 6 パラン教授のブログ
「そういうわけで、思わぬ予定の変更があり、私はドーの星に着陸しました。この星を自分の目で見、自分の足で歩くことが出来ました。これは私にとって、 言葉では言い表せないほどの幸運でした。なぜなら……」その日、 不時着地点からドーの民の宴の広場ま... 小説「方舟」
第一章 5 六人の来星者
最初にレイジ・ドー。次にハク・ヴェリチェリ。それから更に四名の男女が、不時着した宇宙船「HUMDALL SPACE FORCE 13A5W D227」から降りてきた。この宇宙船には、全部で六名が乗り込んでいたようだった。 「ドーの星の皆さん。お騒がせして申し訳ありませ... 小説「方舟」
第一章 4 りんごは皿の上に
「りんごが箱から出た」 これは実は、暗号でも何でもなかった。りんごというのは、ハムダルでは古代種と呼ばれている果実で、成熟すると実が鮮やかな赤色になる。ハムダル星で初の女性大統領となったサラ・ヴェリチェリは、化粧をする時、いつも頬の赤色が... 小説「方舟」
第一章 3 ビッグ・ニュース!
ドーの夜。 地平線の向こうに恒星ドワが沈むと、ダダルもケートも眠りに就く。まだ一度も冬を越していない子供たちも、日没と同時に眠る。それ以外の者は皆、仕事道具をしまうと、集落の真ん中の広場に集まる。ドーの星では、夜は一族全員で同じ酒を飲むの... 小説「方舟」
第一章 2 出会い
時は、相対的なものである。5分という時間は男には短か過ぎたが、老婆にはそうではなかった。 忘れようとして、強引に記憶から消し去ったこと。 忘れずにいようとして、しかし、いつの間にか上手く思い出せなくなっていたこと。 それらの両方が、男が矢継...
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